コミュニティの中と外 / 2023年のCommunity Builderとして少し意識した活動
こちらは、 “ゆるWeb勉強会@札幌 Advent Calendar 2023” の 16日目の記事です。
また、“AWS Community Builders Advent Calendar 2023 シリーズ 2” の 16日目の記事です。
目次
はじめに
AWS Community Builders Program に参加して3年目となりました。
AWS Community Builders Program のことは、昨年も書いたのでそちらをご参照ください。
今年は、 Community Builder として少しだけ「外」を意識しよう、と思って活動してみた年でした。
「Community Builder」という名前の通り、大抵の人はホームと言えるコミュニティがあると思います。AWSに関する活動が多ければJAWSの各支部の活動であったり、ローカルでやっているものだったり、と。
私も、自分で運営する「ゆるWeb勉強会@札幌」がすっかりとホームという気持ちで運営できています。
また、Community Builderになってからは、AWSに関する勉強会やイベントにも参加し、そこでの知り合いや仲間といった方達も増えました。特に Amplify Japan User Group の運営メンバーでもあるので、こちらのメンバーとの関わりもホームとしての活動になっています。
そんな中で、「外」を意識するきっかけとなったのは、昨年の「AWS APAC Community Summit 2022」の参加でした。AWSのコミュニティ活動を行っているアジア・オセアニア地域のメンバーがタイに集う、という刺激的なイベントでした。
ある意味「仲間」なのですが、いろいろな国からの参加者たちとコミュニケーションを(辿々しくも)とることで、「外」というのも強く意識するきっかけとなりました。
英語で飛び出すことができなくても、普段とは違うコミュニティに関わることで普段と違った刺激をもらえて、さらに自分の活動にプラスになるんじゃないかな、と思い、2023年にこれを意識してみよう、と思ったのです。
この辺りを意識した結果、外でできたこと、内を考えるきっかけ、というのをそれぞれ書いてみます。
JJUG CCC 2023 Spring での登壇
AWS関連のイベントや勉強会だと、全体的に「インフラ」に関する情報が多くなります。(そういうサービスが主体なので。)
自分自身は「アプリケーション」側の開発者なので、アプリケーション開発や運用で必要なインフラ知識と共に、アプリケーション開発そのものに関わる知見も欲しいと思っています。
そういう意味でも、AWS以外のコミュニティに参加するモチベーションは高いのですが、そこで登壇するには少々ハードルがあります。簡単に言えば、最近はあまり開発をしていないので、自分から提供できる知見が少ない(と思っている)からです。
とはいいつつ、今年は一つきっかけがありました。
AWS Lambda において、 Java ランタイムの起動高速化オプションとなる SnapStart が実装されたことでした。
これが、2022年の re:Invent で発表されたのですが、現地参加していた日本人の方達のインフラ系の方達にあまりヒットしておらず、これはアプリケーションエンジニアである自分が届けるべき場所で広める必要がある、と感じました。
そして、まずは北海道のJavaコミュニティである Java Do さんで発表させてもらいました。(2023年1月27日)
この時、自分も含めてクラウド環境でのJavaの高速化に関する発表が複数あり、この点の需要の高さを改めて実感しました。
また、これだけ需要があるのであれば、AWS以外でも当然に同様のソリューションはあるはずなので、それを比べてみたら価値があるんじゃないか、とも思いました。
そう思っていた時に、Javaの日本全体のユーザーグループJJUGが主催するカンファレンス JJUG CCC 2023 Spring のCfP募集があることを知りました。(2023年2月2日)
この内容(AWS Lambda の SnapStart を含めた、各クラウドベンダーごとの高速化ソリューションの性能比較)であれば、ここで発表できると価値があるんじゃないか、と思ったのと、JJUG自体は私自身は積極的に関わっていたコミュニティでは無い、ある意味「外」のコミュニティということもあって、思い切って応募してみました。
結果、小規模のトラックではありますが採択いただき、無事に発表を終えることができました。(2023年6月4日)
私以外にも、クラウドと関連させた発表も複数あり、こういう繋ぎの知見を伝えることも価値があるのだと、実感することもできました。
AWSカーニバル ~秋の祭典スペシャル!~ でのハンズオン
こちらは、半分「内」半分「外」というような感じです。
日本のAWS関連コミュニティ(JAWS-UG、AWS Startup Community、Amplify Japan User Group)による初の合同イベントを、しかも札幌で開催、というお祭りのような試みでした。
札幌開催なので、知っているメンバーも多く、また、Amplify Japan User Groupの運営メンバーも何名か全体の運営に関わっており、ある程度「内」という感じもありました。
一方で、新しく関わる方や、イベント自体の参加者の方達との新しい出会いもあり、そういう面は「外」も感じます。
そういった中で、イベント自体も大成功に終わり、その後の懇親会で Amplify Japan User Group の運営メンバーで集まって話をできたことは、とても良い体験でした。
ここは「内」の大切さということを感じられた体験でした。
コミュニティは内に向きすぎると衰退してしまうと思いますが、常連さんも含めコアになる人たちにエネルギーが無いとそれはそれで続かない、となってしまいます。
そういう意味で、外に広げつつ内のエネルギーを高める、ということのバランスを改めて考えることにもなりました。
まとめ
結果、「外」に出るには「内」を大事にする必要があるし、「内」のエネルギーを高めるためには「外」の空気を吸う必要がある、ということを改めて実感できた一年間の活動になりました。
来年もさらに「外」に出つつ「内」のエネルギーを高めていく、これを意識した Community Builder としての活動をやっていきたいと思います。